軽く触れる手技で脳脊髄液の流れをうながし、脳神経系のストレスを緩和します。
からだの不調の原因となりやすい自律神経系・ホルモン系のコンディションを整え、免疫力を高めるのに効果的です。
クレニオセイクラル・ワークは、頭蓋仙骨療法とも言われ、身体が本来自然にもっといる内部のリズムを回復して、よじれた結合組織とぎゅっと詰め込まれた構造を解放してやるのが目的です。
やさしく頭部を手でタッチングして、からだの深いレベルからストレスを解放し、身体がもともと持っている自由な動きへを取り戻すのを手助けします。
頭蓋仙骨系は、肉体的な核ともいえるもので、中枢神経系(脳と脊髄)を取り巻く膜(硬膜、硬膜管)、頭蓋骨とこれらの膜についている仙骨、これらから身体中の部位に飛び出しあらゆる神経と神経経路を包む筋膜、それに脳脊髄液とでなりたっています。
中枢神経系とそれを取り巻くこれらの組織とはたえずリズミックな運動をくり返しています。その運動こそが人間の生命と健康にとって必須の特徴なのです。
このリズムのバランスを回復するために、施術者は頭蓋骨や骨格上の他の部位に非常にやさしく手を当てます。
こうして抑圧されていたり緊張している部位を探りあて、抵抗を感じているポイントに向けて体液の水圧システムを応用して解放を促します。
一般的に深いリラクゼーションを感じ、終わった後にはすっきりとした身体の感じが味わえます。
このワークは、1900年代初頭、オステオパシー医であったウィリアム・サザーランド博士(Dr. William Sutherland)の研究をもとに始められました。
彼は、頭蓋骨と脊椎のワークを行うと、肉体的・精神的なレベルで人を癒すことができることを発見したのです。
このような効果があるのは、このワークによって脳脊髄液が満ちたり引いたりするメカニズムに由来するといわれ、彼はこれを「生命の呼吸」「第1次呼吸メカニズム」と呼んでいます。
また、その後の研究によって、過去の外傷が原因で生じた結合組織のトラブルも、頭蓋骨を軽く圧迫したり、調整することで軽減できることが確認されています。
全身の健康状態を改善し、病気に対する抵抗力を高め、脳と脳脊髄の機能を向上させ、ストレスの蓄積を緩和し、人間のからだに備わる自己治癒のメカニズムと協力して効果を発揮するものです。
代表的なものとしては:
●ストレス障害:不眠症、イライラなど
●ホルモンのアンバランスによる症状:生理不順など
●自律神経失調症
●肩・腰・頭などの慢性的な痛み
●視覚・聴覚障害
●顎の機能障害など、
があげられます。
また、脳の疲労回復をうながす効果も期待され、頭脳労働をする方や受験生にも効果的です。
ワークをはじめるにあたり、まずあなたの身体にていねいに触れ、頭蓋仙骨系ののリズムを感じとることで身体が発している様々なメッセージ(情報)をキャッチし、その後、“5グラムタッチ”と呼ばれる軽いタッチングで、負担になっている症状を改善していきます。
肉体自らが健康な状態に戻ろうとする力を応用して行うため、副作用の心配がない、とても安全なワークです。
ときに問題の原因が心理的なトラウマから発していることが分かることもあります。
その場合、しまい込まれた感情に気づき、解放することで、肉体レベルでも大きな変化が起きることもめずらしくありません。
ほとんどの方が非常にリラックスし、眠ってしまう人も少なくありません。
セッション後は食事制限などは一切なく、入浴、運動なども普段の生活どおりに行えます。
ワーク後は、症状が改善された状態が数日から1週間ほど続きます。
その頃、再度継続してワークを受けることで、身体自らが安定した状態を恒常的に保つ(ホメオスタシス)の実現をたすけます。