膝が痛い原因としては、整形外科に行けば「膝の軟骨がすり減っている」と言われたり、整体に行けば「膝周辺の筋肉が緊張している」とか言われたりします。どちらも間違いではないですが、なぜそのようになったのか?というところまで深く掘り下げる必要があります。
膝の軟骨がすり減っている場合に、年齢のせいにされることもあるでしょう。「変形性膝関節症」などはよく耳にする症状名です。軟骨を再生させるようにサプリメントを飲んだりという対策もあるでしょう。
でも同じ年齢でも何ともない人だっているわけです。もちろん食事の内容による影響もありますし、身体の使い方による影響もあります。軟骨がすり減るほどに膝関節に負担がかかるような動き方をしていたのです。
当院の整体では、膝の痛みに対して、膝だけを施術するということはしません。全身のバランスを整えるような整体を行ないます。
膝が痛い人はだいたい骨盤がねじれたり傾いたりという変位も見られます。だけど無理な骨盤矯正などしなくても、体と対話しながらあれこれ動かしていくと自然と骨盤も矯正され、膝関節の負担も軽減させることができるのです。
膝の前面が痛いケース。
膝のお皿(膝蓋骨)周辺に痛みがある場合は、大腿の前面の筋肉が緊張しています。
その緊張を緩和するような整体を行なうと、膝の痛みも一時的に楽になります。
当院でも以前はそのような施術をしておりました。
しかし、近年はそこからもっと深く踏み込んで考えるようになりました
。左膝が痛いとして、左の太ももの前側が緊張しているとしましょう。
それではなぜ、左太ももがそのように緊張しているのでしょうか?
答えは「左太ももを緊張させなくてはいけない原因があって、体がわざわざ左太ももを緊張させているのです。」
答えになっていないような答えですね。
この場合に、左太ももの緊張を手技で解放させたとしても、その原因が変わらない限りすぐにまた緊張は戻ってしまうのです。
そうやって考えると、真の原因を探し、そこにアプローチすることが大切だということがわかっていただけると思います。
だから当院では膝が痛くても膝に直接施術することはめったにありません。
膝にストレスを与えている原因を探り、そしてそのまた原因を探っていきます。
原因はもちろん一つだけではなくて、直接的な原因以外に間接的な原因はいろいろあるわけです。
そういうところまで考えて整体できるかというところが腕の見せ所です。
だけど、どんなに腕のよい先生でもその原因をすべて明確に把握できる人はいません。
「これが原因ですよ」とはっきり言い切る先生もいますが、その原因も先生によって様々です。
そこで、当院では私がそれを判断するのではなくて、クライアントさんの体に直接教えてもらうということをやるのです。
もちろん解剖学や運動学などの知識も必要ですが、それも参考程度にして、最終的にはクライアントさんの体と対話しながら体から教えてもらうのです。
その辺が他の一般的な整体と違うところです。
そのようなやり方で整体を行なうわけですが、左膝の痛みが右の足首の不調和から来ていたということもあります。右足首の関節のバランスがちょっと崩れていて、それを全身で支える為に頑張った結果が左の膝痛ということだってあるわけです。
そういう場合は、いくら左膝に湿布を張っても注射を打っても関節の調整をしても、右足首の調整をしなくてはなかなか改善しにくいというわけです。
それでは、左膝の痛みの原因はいつでも右足首なのか、といえばそんなこともなくて、股関節かもしれないし、腰椎のねじれかもしれません。
だから、痛いところだけに意識を向けるのではなく、施術家は体全体をみていく必要があるし、もっと言えばその人の生活全般が体の症状として表れているわけですから、その人の生き方も含めて改善のお手伝いをさせていただくという気持ちも大切だと思っています。
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